2013-11-30から1日間の記事一覧

ララブランカのうた  15

わたしのしたいことはなにか 若いころから したいことをするつもりでいながら どうしてか したくないことばかり やり散らした果てに 自分には とくにやりたいことはないのだ とわかって はじめて安心を得た ひとは なにかをするために生きているのではない …

アルキッサスのうた  14

アルキッサス まちをあるく あるきにあるく アルキッサス あるきつかれて 喫茶店にはいる アルキッサスの好きなのは おおきな窓のある店 アルキッサスの好きなのは 窓ぎわの席 アルキッサス 喫茶店でコーヒーを飲む 窓のそとには 空と 樹々と 水と 道ゆく人…

「変な人」対ヒマジンガー  13

職場で机に向かっていると 同僚たちが騒いでいる 「精神分裂じゃないか」 「役所というところは変な人がよく来るねえ」 ありがたいことに わたしは人間に対する好奇心が強い 十年以上も閑職にあって エネルギーも十分 窓口で「変な人」をもてあましていた同…

ヒマジンガーの疑問  12

ヒマジンガ―であるわたしの忘れてはならぬこと それは わたしはヒマジンガーだが人々はそうではないということだ また わたしがヒマジンガーであることの根拠も 半ばはわたし自身の資質と意志にあるとはいえ 残る半ばは偶然でしかないということだ ヒマジン…

ヒマジンガーZ登場  11

ひとが いっしょけんめい しごとをしていると ふらりとはいってくるヒマジンガーZ きみ いそがしいですか いそがしいでしょうね と わかりきったことをきき ではまた と去っていくヒマジンガーZ 雑用がおおくて こまっていると はやてのようにあらわれるヒ…

樹の見える喫茶店  10

ひとりで喫茶店にはいるときは 樹の見える喫茶店がいい コーヒーを飲みながら樹を見る いつ見ても こずえはゆれているので 風はいつでも吹いているのだとわかる ゆれているこずえが目にうつる 目のうらがわに じぶんのこころがうつる こずえをわたる風に し…

病み上がりのうた  09

することがないのなら なにもせず ただ時の流れるに まかせればよいのだが なかなかに時は流れず 相当生きてきたな と思うのに 私は まだ三十三歳にしかなっていない さて その三十三歳の秋 はからずも肺炎をわずらい まる一週間を寝て過ごした 食べて寝るだ…

おみ九字「あ」  9001

あめにあおあお あおばのあいだ あじさいあわい あおとあか (雨に青々 青葉の間 紫陽花 淡い青と赤)

クリスマス

もうすぐ きます クリスマス まちを あるくと きこえます ジングルベルの メロディーが もうすぐ きます クリスマス きたら ことしも もらえます サンタクロースの プレゼント びっくりします クリスマス どうして びっくり するかって? いまは ひみつに し…

秋の野で

「す すきです」 「え? なに?」 「いえ なに ススキです」