ララブランカのうた  15

わたしのしたいことはなにか

若いころから したいことをするつもりでいながら

どうしてか したくないことばかり やり散らした果てに

自分には とくにやりたいことはないのだ

とわかって はじめて安心を得た

 

ひとは なにかをするために生きているのではない

ひとは なんのためにでもなく ただ生きていて

ただ生きているなかで なにかをするはめになるのである

わたしがなにかしてあげたいと思うひとがいて

そのひとにわたしがしてあげられることがあったら

そのひとに負担を感じさせずにしてあげられることがあったら

それがわたしのしたいことだ

なにかしてあげたいと思うひとに ひとり またひとり と めぐり合うこと

必要なことをしてあげられるちからをやしなうこと

 

日頃から そうしたことを心がけ

しかし 無理はせず

疲れたら すぐ休み

さしあたり用事のないときは

あちこち散歩して

気に入った喫茶店の窓際の席で

道行くひとなどながめていよう