おみ九字
つでつれを まちつつつくる つついつつ 津で連れを待ちつつ作る筒五つ
もらいものだと ともにももたせ とももよろこぶ よもぎもち 貰い物だと友にも持たせ友も喜ぶ蓬餅
くらいそらから 暗い空から ぱらぱらあられ ぱらはら 霰 いえののきから 家の軒から つららたれ 氷柱垂れ
あなもりいなり 穴森稲荷 おりおりまいり 折々参り いのりつたわり 祈り伝わり りやくあり 利益あり
わけてわけてと わらわらさわぐ えだもたわわな にわのびわ (分けて分けてと童ら騒ぐ 枝もたわわな庭の琵琶)
ひろのそろそろ ももいろきいろ しろいろいろの はなのころ (広野 そろそろ 桃色 黄色 白 いろいろの花のころ)
ふれよあめふれ かれののにれに ふられぬれれば かれぬにれ (降れよ 雨降れ 枯野の楡に 降られ濡れれば枯れぬ楡)
くもるふるてる はるかぜわたる くるくるまわる かざぐるま (曇る 降る 照る 春風渡る くるくる回る風車)
いろはとりどり よりどりみどり はなうりうりも くりもうり (色はとりどり 選りどり見どり 花売り 瓜も栗も売り)
ひざしうららか はなびらはらり いらかきらきら ならのてら (陽射し麗らか 花びらはらり 甍きらきら 奈良の寺)
よしのよざくら よいつきよだよ よえばいよいよ よいながめ (吉野 夜桜 好い月夜だよ 酔えばいよいよ好い眺め)
ゆむらゆのさと ゆきまうゆうべ ゆめかゆらゆら ゆれるゆり (湯村 湯の里 雪舞う夕べ 夢か ゆらゆら揺れる百合)
やなぎやわらか やさしやあやめ やせのやまざと かやのやね (柳やわらか 優しや菖蒲 八瀬の山里 茅の屋根)
もももすももも かわもにうかぶ ふもとのかわの もがゆれる (桃も李も川面に浮かぶ麓の川の藻が揺れる)
めざめよひめよ ゆめからさめよ かめのさけのめ めがさめる (目覚めよ 姫よ 夢から覚めよ 甕の酒飲め 目が覚める)
むさしののむら むこをむかえる むすめむぎふむ むしろあむ (武蔵野の村 婿を迎える娘 麦踏む 莚編む)
みせにすみこみ みならいみとせ みこみがあると みなみとめ (店に住み込み見習三年 見込みがあると皆認め)
はなみもみじみ ゆきみとみたび きみとしみじみ さけをくみ (花見 紅葉見 雪見と三度 君としみじみ酒を酌み)
いずみみつけて のみみずをくみ もどるみちみち みつばつみ (泉見つけて飲み水を汲み 戻る道々三つ葉摘み)
とねのみなかみ みずおとみみに みなぎるみずを きみとみる (利根の水上 水音耳に漲る水を君と見る)
みさきへのみち せみなきやみて なみのおとのみ みみにみち (岬への道 蝉鳴き止みて波の音のみ耳に満ち)
みなとみせみせ みてかうみやげ すみかみかがみ かみかざり (皆と店々見て買う土産 墨 紙 鏡 髪飾り)
やみでみみずく なくこえみみに みかづきをみる みねのみち (闇で木菟鳴く声耳に三日月を見る峰の道)
みのきみずみる みどりのみずた ぐみはあからみ みなみかぜ (蓑着 水見る 緑の水田 茱萸は赤らみ 南風)
みなみへのみち うみへのみちは みどりみごとな なみきみち (南への道 海への道は緑みごとな並木道)
まえはまつばら まんまるなつき つまをまつまに まいをまう (前は松原 真ん丸な月 妻を待つ間に舞を舞う)
ほりのほとりで みるほしほたる ほれてほれられ ほてるほほ (濠のほとりで見る星 蛍 惚れて惚れられ火照る頬)
きたへにのへを へてさんのへへ ごのへへてゆく はちのへへ (北へ 二戸を経て三戸へ 五戸経て行く 八戸へ)
ふじのふもとで ふえふくふたり ふじのはなふさ ふらふらり (富士の麓で笛吹く二人 藤の花房 ふらふらり) ↓ 旧作 ふじのはなふさ ふらふらふたり ふじのふもとで ふえをふく (藤の花房 ふらふら二人 富士の麓で笛を吹く)
ひつにひめおく ひとくみのひな ひなのひのひる ひつひらく (櫃に秘めおく一組の雛 雛の日の昼 櫃開く)