エラリー氏の成熟  63

いばったり じまんしたりするひとは

じぶんはえらい と おもっているようにみえますが

ほんとは そうではないのですね

 

じぶんはえらい と じぶんだけで おもいきれないから

ひとから えらい と いってもらいたいのですね

それも 三年さき 五年さき というのではこまる

いますぐ えらい と いってもらわないと 身がもたない

だから どーだ えらいだろう どーだ どーだ と

ついつい ちからがはいるのですね

 

まあ しかし むりもないのですね

だれだって いきなり

じぶんはえらい

とはおもえないのですね

ひとから えらい といわれたことがささえになって

そうか じぶんもえらいんだな

とおもうようになるのですね

 

ですから やっぱり こどものうちがだいじですね

こどもには できるだけ機会をみつけて

えらい えらい と いってやらなければいけませんね

そうおもいながらも じぶんのこどもには

ばか まぬけ とんま……

そんなことばかり いっていて

なかなか えらい と ほめてやりませんね

 

でも じぶんをほめてやるほうは

おかげで ずいぶん うまくなりましたね

いまでは よほど調子がわるくないかぎり

わざわざ ひとをわずらわさなくても

ああ じぶんはえらいな

と ひとりで そうおもえますね

 

ああ じぶんはえらいな

と しみじみおもいながら そばにいるこどもに

どーだ おとうさんはえらいだろう

といいますと こどもは よこをむいて

しら~

などといいますね