ちがう  57

気まずさを救おうとして

しゃべりたくもないことを むりにしゃべる

それが ひとへの親切だ

と おもっている

でも それはちがう

 

しゃべっているうちに ひとがみえなくなる

ひとが話そうとしないのだから

じぶんが なにをしゃべってもいいのだ

と おもっている

でも それはちがう

 

いい気なおしゃべりをした と気づかされて

じぶんが いやになる

しゃべらないほうがいいのだ

きくだけにしよう

と おもっている

でも それはちがう