トリミントスのうた  22

胸のあたりに ぽっかりと

空のようなものが ひらけていて

その一角を すっと よぎる影がある

鳥か?

見さだめる間もなく 影は消える

 

あれは鳥だったか ちがったか

そこで わたしは なにをすればよいか

もういちど あの空のようなものを かかえること

胸のあたりに ゆったりと かかえて

待つともなく 待っていること

 

胸のあたりに ぽっかりと

空のようなものが ひらけてきた

あれが鳥ならば かならず またあらわれる

鳥があらわれるとき

わたしに うたがうまれる

 

みろ! 空の奥から

ちかづいてくる影がある