そのころ  07

建物のなかにいて

こころの置き場がなくなってくると

押し出されるようにして街に出た

 

街角でまがることにも まっすぐすすむことにも

どんな理由も見つけられなかったので

たちつくしていることも しばしばだった

 

時間は 沼のように よどんでいた

踏みだす一歩ごとに まとわりつくものを感じながら

からくも風景のなかを移動していった